私は、1人目を自然分娩で、2人目を無痛分娩で出産しました。
自然分娩にしようか。それとも無痛分娩か。分娩方法で迷っている女性は多いと思います。私も1人目を妊娠した時に、どちらの分娩方法にするか、3ヶ月間近く悩みました。
自然分娩、無痛分娩の両方を体験して感じたことは、どちらの分娩方法にもメリットがあるということです。この記事では、自然分娩(フリースタイル)の体験から感じたことをまとめます。
自然分娩でフリースタイル出産に挑戦(1人目)
2014年の1月に妊娠が判明しました。この時から、無痛分娩か自然分娩か、悩みの時間が始まりました。
まずは、足を使って調査。出産する病院を探すべく、自宅近くの病院2つ、無痛分娩で実績のある病院1つを訪れました。
平日は仕事があり病院へ通えないので、定期妊婦健診は土曜日も診察しているクリニックへ通いつつ、他の病院をはしごする日々。
最終的に東京都中央区にある聖路加産科クリニックで自然分娩で臨むことに決定しました。この聖路加助産院は、できる限り医療の介入をせず、女性の産む力を最大限に尊重した出産を目指しています。
【追記(2017年9月)】
「聖路加産科クリニック」は「聖路加助産院マタニティケアホーム」へ変わりました。私が出産した2014年は、分娩も「聖路加産科クリニック」で行いました。しかし、「聖路加助産院マタニティケアホーム」へ名称変更するとともに、分娩は助産院ではなく聖路加国際病院(本院)で行います。
<以下の記事は、聖路加産科クリニック時代の記事です>
聖路加産科クリニックは、セレブ病院御三家といわれる、聖路加国際病院(本院)とも医療提携しています。出産時に問題が発生した時には、聖路加国際病院へ移送されることになっています。
聖路加産科クリニックを選んだ一番の理由は、「分娩台がない」からです。聖路加産科クリニックでの説明会で、「分娩台は医師の目線で分娩を介助しやすいように作られている。産む側の妊婦の目線では開発されておらず、分娩台での姿勢は重力に反している。」「分娩台の上で産むのは動物の中で人間だけ」という話を聞きました。
この分娩台の話には衝撃を受けました。と同時に、うん、確かに分娩台で産むのは人間だけだよね、と納得したのでした。
陣痛も分娩も同じ部屋、LDR
多くの病院では、陣痛室で陣痛が進むのを待ち、産まれる間際で分娩室へ移動し、分娩台の上で出産することになります。
ところが、聖路加産科クリニックの出産では、陣痛開始から分娩まで一貫して同じ部屋です。陣痛から分娩、産後の回復までを一つの部屋で過ごす方式をLDRと呼びます。陣痛(Labor)、分娩(Delivery)、産後の回復(Recovery)の頭文字をとってLDRです。
2014年10月。妊娠40週。深夜に自宅で陣痛がはじまり、聖路加産科クリニックへ行くと、個室へ案内されました。このお部屋、マットレス、ラジカセ、抱き枕が備わっていて、トイレにバスルームも付いています。一人暮らしの女性のワンルームの部屋を想起させる普通の部屋です。
普通じゃないのは、天井から吊るされたヒモがあるところ。このヒモにぶら下がれば、重力を最大限に利用して出産することができるためです。私の場合は、陣痛MAXの時に立ち上がるなど到底出来ず、このヒモを利用する余裕はありませんでした。
部屋には、踏み台昇降の台もありました。これは、陣痛が進まない時に利用するためです。部屋の照明は暗めで、カーテンも閉められています。暗いほうが陣痛の進みが良いということでした。
私は、深夜1時にクリニックに到着し、赤ちゃんが産声を上げたのは同日の午後3時でした。照明が暗いので、時間の感覚が全くありませんでした。出産直後に時間を聞いて、クリニック到着から約15時間も経過していたことに驚きました。
フリースタイル出産について
聖路加産科クリニックに到着しLDRのお部屋に通されてからは、妊婦の好きに時間を過ごせます。シャワーを浴びてもよし。そして、マットレスの上で横になって出産してもよし。ヒモにぶら下がって出産してもよし。分娩台がないフリースタイル出産。自分が一番楽な姿勢で出産することができます。
私の場合は、陣痛が辛い時は、踏み台昇降台の上に座って痛みに耐えました。そして、いざ、力む時には、膝は床について、上半身はマットレスの上、という重力もいかしつつの四つん這いになって力んだところで、オギャー、オギャーと赤ちゃんが誕生。
説明会で「どのような姿勢で産むのがよいか」と助産師の方に質問しましたが、産後に振り返ってみると、無用の質問でした。実際に出産した時は、自分にとって一番楽な姿勢を本能のままに自然にとることができました。出産は、頭で考えるものでは無いのですね。
自然分娩のメリットのまとめ
・陣痛を味わえる
・医療介入がない、もしくは少ない
・(フリースタイルの場合)一番楽な姿勢で赤ちゃんを産める
以上、自然分娩についての体験記でした。