訪日外国人の集客のヒントを通訳ガイドが語る

2008年に通訳ガイドの資格を取得しました。以後、世界中から日本にいらっしゃるお客様のガイドを務めました。

今回は、ガイドの仕事を通じて学んだ、訪日外国人の方を喜ばせる方法を公開します。盛り上がるインバウンド・ビジネス。海外からのお客様の集客のヒントになれば幸いです。

訪日外国人はローカルなことが好き

訪日外国人のお客様は、ローカルなことが大好きです。例えば、レストラン。外国人ばかりがいるレストランよりも、地元客で賑わうお店にお連れした時のほうが喜んでくれます

自分が旅行した時を考えてみてください。観光客向けのレストランより、地元客が多いレストランに行きたいですよね。

ローカルなお店にお連れして、喜ばれた時の話

ドイツ人のラルフさんをご案内した時です。彼は、IT会社を経営されており、中国出張のついでに訪日されました。

都内をご案内している時、日本のサラリーマンで賑わう居酒屋の話をしたら、自分も行きたい、と。そこで、ガードレール下の小さな居酒屋へお連れしました。

居酒屋に入ると、店内は右も左も黒いスーツをきたサラリーマンで賑わっています。筆ペンで手書きで書かれたメニューが壁に所狭しと貼ってあります。英語メニューは、もちろんありません。

この居酒屋。座席の配置がギュウギュウ詰めです。自分専用のオフィスが会社にあるラルフさんです。狭い場所には不慣れなはずですが、店の狭さに感激のご様子。

そういえば、以前、カナダ人のお客様は東京の満員電車に乗って眼を輝かせて喜ばれていました。東京に住む人にとっては満員電車は当たり前の光景ですが、カナダのように人口密度が小さい国から起こしの方にとっては珍しいのです。

日本では当たり前のことでも海外の方には珍しい。そんなことが、これからのインバウンド・ビジネスの鍵になると思います。

さて、ラルフさん。彼は、仕事帰りに同僚と飲むという日本人の習慣に驚いていました。ドイツでは、仕事が終わったら、定時で帰り、夜は友達や家族と過ごすのが一般的とのことです。また、店内が喫煙可ということにも大変驚いていらっしゃいました。

周囲のお客は全員日本人で、お店にいるノン・ジャパニーズは彼だけ。仕事という戦いを終えた日本人サラリーマンの体臭、タバコの煙、アルコール臭が満載の居酒屋。「このお店は、自分1人では来れなかった。とても嬉しい」と何度もおっしゃて頂けました。

観光客向けのお店で、がっかりされた時の話

逆に、次は、観光客向けのお店にお客様をお連れした時のお話です。
イギリス人の団体20名様をご案内したときです。これは、旅行会社様から頂いたツアーのお仕事でした。

京都に滞在の日。夕食の場所は、料亭風な和式レストラン。個室の部屋での食事です。このレストランの売りは、舞妓さんと会えること。食事中に舞妓さんが来てくださり、10分ほどお客様と談笑の時間をとってくださいます。

お食事中は、舞妓さんに対して、「なぜ、舞妓になったのか」「家族とは、年に何回会えるのか」といった質問がたくさん出ました。舞妓さんと話しができ、お客様は、とても喜んでくださりました。

食事も懐石料理で、日本に文化を説明するにはもってこいの内容。お客様に楽しんで頂けて良かったなと、私も満足です。

ところが、お会計の内容を確認し、お客様と一緒にお店を出る時のことです。エントランスに、他の外国人旅行客のツアー団体が2つも待っていたのです!総勢、40人近く。欧米からのお客様でしょうか。皆さん、背が高く、目立ちます。目立ちすぎです。

「ここは、外国人ツアー専用のお店なんだね」と1人のお客様が、がかりした顔をされたのを私は見逃しませんでした。「日本人ツアーもくるわよ」と私は自虐?ジョークで返答したところ、笑ってくれましたが、あの時は焦りました。

食事メニューや、お店のスタイルはとても良かっただけに、最後の最後で、「ツアー客向け」という印象を持たれ、お客様の感動が冷めてしまったのが残念でした。

 

訪日外国人は体験するのが好き

外国人のお客様は、自分で体験することが大好きです。お客様に、「見学」より「体験」していただいたほうが喜んでいただけます。

例えば神社をご案内するとき。お客様を一箇所に集めて、ガイドが長々と歴史や建築について説明しても、喜んでいただけません。

お客様に喜んでもらうには、体験をしてもらうこと。例えば、お客様と一緒に神社のお参りの作法をします。まずは、手水(てみず)で身を清める作法を一緒に行います。

本殿でのお参りでは、お客様のご希望に応じて、おみくじをひいたり、絵馬を書いたり。神社でも、できることは、たくさんあります。

もちろん、神社は神聖な場所。お参りの気持ちを忘れてはいけません。また、宗教的にお参りしたくないお客様がいらっしゃる可能性もあるので、注意が必要です。

えっ?前述の居酒屋ガイドでは何を体験してもらうか、ですか。お店では、「生、ひとつ」という言葉を教え、ラルフさんにオーダーをしていただきましたよ。それも、3回も。これも体験の一つですね。

後日、ラルフさんからメールをいただきました。「日本語は全て忘れてしまったが、Nama Hitotsuは覚えているよ」と書いてあり、メールを読みながら私が嬉しくなったのは言うまでもありません。

日本人は親切なので、ついつい、訪日外国人のお客様を助けるつもりで、なんでも手伝ったり、やってあげたりしてしまいます。けれど、訪日外国人の皆様に喜んで頂くためには、お客様が体験できるようにサポートすることが大切だと思います。

 

まとめ

訪日外国人旅行者の方は、ローカルなこと、体験することが大好きです。インバウンドが盛り上がる日本。外国人の方と接する機会がある方や訪日の方を集客したい方は、参考にしてくださいね。

ABOUTこの記事をかいた人

兵庫県西宮市に在住する30代女性です。子育て・インバウンド、英語に関するテーマを中心に情報発信しています。詳しいプロフィールは画面上部の「サイト運営者」をお読みください。